2013年5月29日水曜日

529 おかげおかげのげ


3.11で栃木から岐阜に移ってくる時に、栃木の人たちに岐阜ではお客様も仕事も出来ないし、食べていけないよ、と言われた。

2年過ぎたけれど、ちゃんとやっていけている。

これは私の腕がええからだ、などと自惚れたら、もうお終いだな。 

料理人には「そめちどう」といってな、道を極めるには、5つの要素を完璧にしなくてはあかん。

 そ=素材、め=目利き、ち=調味料、ど=道具、う=腕。 

それぞれ一通りできるようになるには10年ずつくらいかかる。だから、50年はかかる。それは一通りできるだけの話でな、道を究めるなんて、10年そこらじゃ容易ではないということだ。

しかも、「腕がええ」なんてのはな、優先順位でいえば、「そめちどう」の一番最後なんだ。

「腕を磨く」ことはもちろん大事だが、その前の4つの要素をきちんとやっておけよ、という教えだな。 

私の場合は、人の健康改善に尽くす、ということでいえば、「私の足つぼの押し方がええ」、とか、「私の腕がええからだ」、なんて考えは浅い浅いもんでな、そんな考えなんかあかんということだ。


ところで、岐阜には滋賀や伊勢の商人が行き来してきてて、そこから「おかげさん」という考え方が浸透しとる。

 「オレが、オレが」の我(が)を捨てて、「おかげ、おかげ」の下(げ)で生きる」 


こういう生き方しとる人たちのおかげでな、今日もある。そのほうが幸せな生き方ができるんじゃないかな。

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