「診察している患者さんの中には、こちら側ではなく、あちら側へと引っ張られていく人が明らかにいる」
「止められないんですか?」
「その流れはどうにも止められないのですが、なんとかしてあげたい。できるだけのことはして、こちらへ戻ってくるようにと診察しているんです。」
「ダメなほう、ダメなほうって流されていってしまうんですか?」
「そうなんです。こっちこい、こっちこいってするんですが、やっちゃいけないことをやってしまったり、食べちゃいけないもん食べてしまったり、、ね。」
「そういう空気があるんですか」
「そうですね。気があるというか、もやもやしたものが、診察のときに感じることもありますよ。それは目にはみえないのですが、不思議なことです。」
不思議なことがあるものですね。
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