昨日の続きです。
20年以上前の話です。秋山先生が独立を師匠に申し出たときのお話です。
師匠は、「どういう人を相手にしてゆくのだ?」と先生に尋ねたところ、先生は
「”来るもの拒まず”で参ります」と答えたそうです。
すると、
師匠は「そうか。”来るもの拒まず、去るもの追わず”か。でもな、○○なやつとだけは付き合ってはいかんぞ。」とアドバイスされたそうです。
「○○なやつ」って何でしょう?
「吾、唯足るを知る」
原文はな、老師の三十三章じゃ。
「知人者智、自知者明。勝人者有力、自勝者強。知足者富、強行者有志。不失其所者久。死而不亡者壽」
(人を知る者は智、自ら知る者は明(めい)なり。人に勝つ者は力有り、自ら勝つ者は強し。足るを知る者は富み、強(つと)めて行なう者は志有り。その所を失わざる者は久し。死して而(しか)も亡びざる者は寿(いのちなが)し。)
その意味するところはな、
「他人のことがよくわかる人は、それなりに智恵があるけれど、もっと上があるな。それは、自分の内面にある人間としての素晴らしさをちゃんと認識している人だな。
自分のことがわかっていれば、他のあらゆることを見抜くことができるからな。
また、人と張り合って勝つ人はそこそこ力があるな。でも、もっと強いがあるな。それは、私利私欲に走り勝ちな自分に勝つことが出来る人よ。聡明で克己心がある人は、満足する心を持っている。感謝を忘れないで生きている。だから、本当に豊かな人生を生きられるだな。
でもな、強引に物事を進めるのは良くないな。足るを知って生きることが大事だな。たとえ、死んでしまっても、「道」と一体となって生きたことはなんらかのかたちで受け継がれていくぞ。それが本当の長生き、長寿ということだぞ」。
大事なのは、「足るを知る」ということだぞ。
自分の今ある境遇にな、感謝して、満足して生きる。どんなに過酷な状況であっても、満ち足りた気持ちになる時間を大事にしてな。
誰がどういおうが、どう思おうが、自分が幸せと思えば幸せだからな。
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